鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第10章 :少女とハンジの試み〜壁外調査:後編〜
「カイル…アンタ、貴族か?」
「えぇ。ですが次男なので、家は気にしないで下さい。リンさん、お願いします!」
『うん!カイル、頼むね!』
「ハイ!頑張ります。」
「では私はこれから、ミタビとイアンに話をしに行きます。カイル、備品倉庫を少し片付けておいてくれるか?」
「かしこまりました!」
リコはピクシスに挨拶をすると、兵舎に駆けて行った。
カイルも備品倉庫へ移動する。
「リンよ…良い友を持ったのぉ。」
ピクシスは再度少女の頭に手を乗せ、ポンポンと優しく撫でた。
『うん!』
「リン…壁外調査から帰ったら、ワシの願いも聞いてくれぬか?」
『お願い?』
「美味しい物が沢山食べれる、楽しい願い事じゃ!」
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「エルヴィン、ハンジを見つけた。カラネス区の壁付近だ。」
「そうか…では移動しよう。」
リヴァイとエルヴィンは馬に跨り、待機しているリヴァイ班の元へ駆ける。
「それで?どういう状況だ?」
「お前の予想通り…ハンジはリンと共にいる。協力者も一緒にな。」
「協力者?」
「駐屯兵だ。」
「ほぉ。そういえば出会ったばかりの頃彼女は、駐屯兵団に友人と知り合いがいると言っていたな。あそこを動かすとは…流石だ。」
暫く進むとカラネス区の旧市街に入り、壁が見えて来る。
その壁上に兵士が数人いるのが目視でき、エルヴィンは目を細めた。
リヴァイはリヴァイ班が身を潜める、旧市街の家内へ入る。
「様子はどうだ?」
「兵長!現在ハンジ分隊長が、巨人を選出しているようです。」
「そうか。どうする?エルヴィン。」
「様子を見よう。」