鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第10章 :少女とハンジの試み〜壁外調査:後編〜
「ほぉ…巨人の捕獲とな。それは面白そうじゃのう。」
「司令!面白がってる場合じゃありません!」
リコの言葉に、ピクシスは口髭を触りながら笑った。
「まぁそれは冗談じゃが…ワシも興味はある。良かろう、して?ワシらは具体的に、何をすれば良いのじゃ?」
『今日から壁外調査が始まるんだけど、3日目の帰路でカラネス区付近に行くから…その壁上に巨人捕獲用の網を用意しておいて欲しいの。網はもう持って来てるから、この敷地内に隠して置いてくれると助かる。』
「それだけかの?」
『あと巨人捕獲の際…捕獲対象外の巨人を壁上から砲弾で倒し、捕獲した巨人に網をかけるのを手伝って欲しいかな。』
「良かろう!全て了解した。…網はどこに隠すかのぉ。」
「司令、備品倉庫はどうでしょう?関係者以外立入禁止にすれば、3日くらい怪しまれないと思います。」
リコが提案すると、ピクシスもそれに頷く。
「では任せよう!あとは…3日目のカラネス区方面:壁上防衛者を、調整変更する必要があるか?」
「ハッ!彼女の力を知る人物が良いかと思いますので、私,ミタビ,イアンと…」
「私も是非、ご一緒させて下さい!リンさんのお役に立ちたいのです!」
食器の片付けてから戻った門兵が、一歩前に出る。
「其方は門兵の…」
「ハッ!カイル・リュグベルと申します。」
「そうか…其方リュグベル家の次男坊、カイルか?」
「…やはり、ご存知でしたか。」
カイルは苦笑いをした。