鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第10章 :少女とハンジの試み〜壁外調査:後編〜
「…司令は彼女と、お知り合いなのですか?」
「其方は、確か精鋭班:班長の…」
「失礼しました!リコ・ブレツェンスカと申します!」
「其方の名前は聞いておる。3年前のシガンシナ区:壁崩壊時でも、かなり活躍したようだのぉ。礼を言う。」
「勿体ないお言葉です!」
「ワシはこの娘の母親:ルーサと昔から懇意にしていての…リンも幼き頃から知っておる。血縁者ではないが、孫のような存在じゃ。」
「そうだったんですね…」
「リン、ルーサは元気かの?」
『ッ!……』
つい先程まで笑顔だった少女の顔が突然曇り、ピクシス・リコ・カイルは首を傾げた。
「リン、何かあったのか?」
ピクシスは俯く少女の頭に手を乗せる。
『うん…。それは壁外調査から帰ったら、また話に来るね。』
「会えるのを楽しみにしておるぞ。」
『うん!』
ピクシスはやっと顔を上げ、笑顔を見せたリンの頭を優しく撫でた。
「それで?ワシにお願いとは何じゃ?可愛い孫の願い、出来れば叶えたいのぉ…」