鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第10章 :少女とハンジの試み〜壁外調査:後編〜
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ハンジとモブリットは、行きで通った平原を馬で駆けて行く。
ありがたい事に、巨人に遭遇はしなかった。
暫くするとトロスト区の門が見えて来るが、何故かハンジはそちらへ向かわず…カラネス区方面へ向かって行く。
「分隊長!これから一体、何をするつもりなんですか?」
モブリットは流石に不審に思い、ハンジに声をかけた。
「巨人の捕獲だよ〜!」
ハンジは嬉しそうに答える。
「えっ?!どういう事ですか?エルヴィン団長は、ご存知なのですか?」
「知らないよ〜私とリン、あと彼女の協力者でやるんだ!」
「なッ?!」
(何を言っているんだ、この人は?長い付き合いだが…相変わらずこの人の考える事は、全く理解出来ない。)
モブリットは困惑した。
更に進むと…カラネス区の旧市街に入り、その屋根の上にリンの姿が見えた。
「リン、お待たせ〜!待ったかい?」
『別に。上手く抜け出せたみたいね!モブリットもお疲れ様〜!』
「リン…これは一体、どういう事なんだ?」
『ハンジに【巨人捕獲するのを手伝って欲しい】って頼まれたから、その協力をしてるだけ。』
「いや、しかし…」
『ほら〜私達の協力者も、もう待ってるよ!』
リンの指差す方を向くと、カラネス区:壁上に数人兵士の姿が見える。
「えっ?!あれは…」
「…嘘…だろう?あれって、もしかして…駐屯兵団の【精鋭部隊】じゃないか?まさか君の協力者って…?!リン、君は一体何者なんだ?」
2人は少女を驚きの表情で、ジッと見つめる。
しかしリンはただ無邪気な顔で、嬉しそうに壁上にいる【協力者】に手を振っていたのだった。