鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第10章 :少女とハンジの試み〜壁外調査:後編〜
「エルヴィン、何があった?」
煙弾の援護から戻ったリヴァイは、急いでエルヴィンの元に駆けつけた。
「ハンジが行方不明だ。」
「行方不明?」
「具体的に言うと、行方不明というより…兵規違反だな。」
「どういう事だ?」
「班長であるハンジ自ら、班員に【特別任務があるから先に戻れ】と言い残し…モブリットを連れて何処かへ行ったらしい!」
「特別任務だと?」
「私は何も頼んでいない。…恐らく巨人の捕獲だろう。だがハンジは、捕獲用道具を持っていなかった筈だ。ならばどうやって捕獲する?」
「リンか?」
「あぁ。恐らく彼女に捕獲協力を頼み、何かしらの方法で捕獲を試みるつもりなのだろう。」
「あのクソメガネ…勝手な行動しやがって!」
リヴァイはチッと舌打ちし、腕を組んだ。
「リヴァイにはハンジとリンを、探して出して欲しい!ただし…捕まえなくていい。私に報告し、様子を見ていて欲しい。」
「…どういう事だ?」
「ハンジが以前言ってたように…リンの力を使えば犠牲を出さずに、巨人の捕獲が出来るかもしれない。それを試すのなら、私もその方法を知りたいと思ってな。」
「なるほどな…了解した!俺の班を連れて行くが、いいか?」
「構わない。口が堅ければな…」
リヴァイはすぐに自分の班員を連れ、ハンジ,リン,モブリットを探しに駆けて行った。