鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第10章 :少女とハンジの試み〜壁外調査:後編〜
〜壁外調査:最終日〜
『ナナバ、今日の予定は?』
エネルギー源である菓子を食べながら、リンは出かける準備をする。
「私達の班は今日拠点設営はないから、他の班や煙弾の援護がメインだね!」
『分かった!ちなみに終わったら、私先に帰っていいの?』
「そうだね〜リンはどちらにしても別行動だし、ミケに報告が済んだら帰ってもいいよ。」
『うん、了解!じゃあ行って来る。またあとでね!』
少女はそのまま、その場から消えた。
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煙弾が上がった方向に向かうと、巨人5〜6体が兵士たちと戦闘中だった。
リンはその巨人全ての脳天に雷を落とすと、巨人が気絶する。
そして兵士を掴んでいた巨人の手も外れ、数人の兵士が落下していった。
食われる寸前だった男兵士は放心していたが、女兵士が1人果敢に1体の巨人に食らいついていたのが見え…リンはそちらへ声をかけた。
『早く!今のうちに項を…』
「はっ、はい!」
すぐ反応した女兵士はアンカーを刺し、巨人の項を削いだ。
それを見た他の兵士達も、次々に巨人を倒していったのだった。
辺りにいた全ての巨人が絶命した頃…最初に巨人を倒し呆然としていた女兵士の近くに、小柄な少女がふわりと降り立った。
『大丈夫?』
「今…私が巨人を…倒した?」
信じられないように呟く。
『そうだよ、あなたが倒した!えっと…』
「失礼しました!私はイルゼ…イルゼ・ラングナーと申します。どなたかは存じませんが、ご助力ありがとうございました!おかげで助かりました。」
戦場とは思えないくらいキレイな姿勢で、女兵士:イルゼは敬礼をした。
『無事で良かった。帰りも気を付けてね!』
リンはイルゼに笑いかけ…辺りに巨人がいないか確認した後、別の煙弾へ向かって行った。
「あの人は一体…」