鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第8章 :少女の初陣〜壁外調査:中編〜
「クソメガネは兎も角、俺で実験しようと考えるとは…テメェいい度胸だな。」
『ごめん、ごめん!エルヴィンにも渡したけど…多分食べないだろうから、あとで回収かな?あとナナバとリーネにも渡したけど、あの戦い方見てたら2人も必要無さそう。』
「つまりペトラで試したと?」
『うん、そう…ごめんペトラ。』
ペコリと頭を下げる。
「構いません。むしろ、ありがとうございます!痛み和らぎました。こんな物を作れるなんて、リンさんは凄いです!」
『それなら良かった!でもそれ痛みが和らぐだけで、怪我が治るって訳じゃないから…後でちゃんと医師に診て貰ってね!』
「はい!」
その2人の様子を見ながら、エルドはリヴァイに話しかけた。
「あの兵長…彼女は一体、何者なんですか?」
「俺もあんな物が作れるとは知らなかったが…あいつは俺達には無い、特別な力を持っている。」
「特別な力…」
4人は屋根から降り、3人は指笛で呼んだ馬に跨った。
ペトラは怪我をして馬に乗れない為、エルドの後ろに乗り…ペトラの馬はその横に並走させる。
「リン、お前も一旦エルヴィンの元へ戻れ!」
『分かった!じゃあ、後でね〜!』
少女は小さく手を振ると、その場から上がった小さな炎と共に消えた。
「えっ?!消え…」
「なっ?!何だ、今のは?兵長…」
驚いて2人はリヴァイを見るが、既に馬は走り出していた。