鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第8章 :少女の初陣〜壁外調査:中編〜
「ッ!?」
リンの手を握って立ち上がったペトラだったが、先ほど巨人に掴まれた腕が痛み…顔を歪ませる。
「すまん…怪我も負ってたな。すぐ合流地点に向かって、手当てして貰おう。」
『待って!』
少女はペトラを連れて行こうとしたエルドを止め、前に出る。
『ペトラ、出発前に渡したお菓子…出してみてくれる?』
「お菓子…ですか?でも多分巨人に掴まれた時、瓶が割れて…あれ?」
懐から出てきた瓶は傷1つ付いておらず、中のお菓子も無事だ。
「え…何で?」
『その丸いお菓子は金平糖っていうんだけど、それを2〜3粒食べてみてくれない?』
「あっ、はい!」
不思議に思いながら口に入れると…優しい甘さが口の中に広がり、ペトラは顔を綻ばせた。
「…甘くて美味しいです!!」
『良かった!で?身体の痛みはどう?』
「…痛く…ない?えっ?何で?」
『ヨシ、成功だ!』
少女はガッツポーズを取る。
「おいリン、それは何だ?」
『回復薬…みたいな感じかな?』
「「「 回復薬? 」」」
『怪我した時少しでも、痛みが和らげばいいなぁって…私が作ってみたんだけど。』
「お前が作ったのか?」
『うん。作ったのはいいんだけど、試せる相手がいなくて…。だって〜私は怪我してもすぐ回復するし、リヴァイやハンジは滅多に怪我しないでしょ?』
(えっ?すぐ回復するって…どういう事??)