鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第8章 :少女の初陣〜壁外調査:中編〜
リヴァイは少女の横に降り立ち見下ろす。
そして頭にガッと手を置き…
「リン…よくやった!」
口元が緩み、くしゃりと頭を撫でた。
少女の瞳が驚きで大きく見開き…
『うん!!』
満面の笑みを見せた。
『リヴァイも格好良かったよ!今日初めて戦う姿見たけど、噂通り凄く強いんだね。』
「そうか。」
『でもリヴァイ達の強さがあれば、この班に私の力は必要ないかもね〜。』
「そんな事はない。今回は助かった、また頼む。」
『は〜い!』
リヴァイとリンが話してる姿を、エルドは驚き顔で凝視する。
(兵長のあんな顔…初めて見たな。やっぱり彼女は、兵長の特別なんだな…)
そして視線をペトラに戻すと…
ペトラは2人を見上げながら、まだ屋根の上でへたり込んでいる。
「ペトラ、立てるか?」
「えっ?は、はい!あっ……」
エルドが手を出すが、ペトラは中々その手を掴まない。
「どうした?」
(どうしよう…今立ち上がったら、下が濡れてる事バレちゃう!!)
ペトラは先ほど失禁してしまった事を思い出し、恥ずかしくて立ち上がれない。
するとリンがペトラの側へ歩き出し…濡れてる部分に突然、所持していた水筒の水をかけた。
「えっ?!」
「なッ?!」
『レイ!』
少女の掌から小さな炎がボッと上がり消える。
ペトラとエルドが驚いてる間の…一瞬の出来事だった。
「えっ?えっと…今のって?」
『大丈夫?』
手を差し出す。
(乾いてる…)
「…はい!」
ペトラは笑顔で、手を握り立ち上がったのだった。