鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第8章 :少女の初陣〜壁外調査:中編〜
そうだ、まずは生きて帰る!
諦めるな、足掻け!
みっともなくてもいい…私は生きて帰るんだ!!
そしてリヴァイ班のみんなに、もう一度会う!
リンさん、貴女にも!!
チリリリリン…
リリリリ…
鈴の音が響く…
だがこの場でこの音が聞こえるのは、唯一1人の男だけ。
「エルド、止まれ!…来る。」
その男:リヴァイの声が辺りに響き、ペトラを助けようとしていたエルドはその場で止まる。
その瞬間…ペトラを掴んでいる巨人の脳天に、雷が直撃する。
リヴァイは巨人が気絶した瞬間を狙い、その項を削いだ。
そして重力で落ちて行くペトラの身体を、待機していたエルドが受け止め建物の屋根に降り立つ。
一瞬の出来事だった。
ブレードで必死に…掴まれた巨人の手に抵抗していたペトラは、今起きた一瞬の出来事が理解出来ない。
何が起きた?
何故自分は生きてる?
何故地上にいる?
「ペトラ、無事か?…ペトラ?」
エルドが心配そうに話しかける。
「はっ、はい!生きてます!」
足が震えへたり込むペトラの横に、小柄な少女がふわりと舞い降りた。
『ペトラ、無事?間に合って良かった!』
白いチュニックのレースが、風でふわふわ揺れ…少女が微笑む。
その少女は本で見た天使、そのものだった…