鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第8章 :少女の初陣〜壁外調査:中編〜
〜壁外調査:1日目〜
今回の任務は…廃墟と化した街や村から巨人を駆逐し、拠点の礎を確保する事。
既に後続班も本隊と合流し、それぞれ任務に就いている。
エルヴィンは合流地点である教会の屋根で辺りを見回し、ある人物の到着を待っていた。
立体起動のアンカーが付近の壁に刺さり、到着を待っていた大男がエルヴィンの横に立つ。
「ミケ、リンの力はどうだ?」
「使えるな。彼女の雷を巨人に落として気絶させ、その隙に俺たちが項を削ぐ…その連携のおかげで俺たちの班は、今回死傷者0だ。」
「死傷者0…それは凄いな。」
エルヴィンの口元がフッと緩む。
「あの力があれば、今後壁外調査も死傷者が減り…兵站拠点の設営や遺跡調査などの任務も、進めやすくなるだろう。」
「そうか…期待以上だ。では今後はリン含めた、作戦立案を考えなくてはな。」
「あぁ。ただ…死傷者が減った理由を上に伝えるのは、困難かもしれない。彼女の力は特殊だからな…下手すると化け物扱いされるだろう。」
「そうだな、それは難問だ…何か考えてみよう。…ところで、肝心のリンは今何処にいる?」
エルヴィンは辺りを見回す。
「他の班から上がった、煙弾の元へ向かった。」
ミケが見る煙弾の方角に目を向けると、稲光が見えた。
「あそこは…リヴァイの班か?あそこも今回、特別班では初陣のやつがいるし…何かあったのかもしれんな。」