鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第8章 :少女の初陣〜壁外調査:中編〜
『ハンジ、待った?』
「待ってたよ〜リン!!」
馬から既に降りてリンを待ってたハンジは、駆け寄って来た小柄な身体を思いっきり抱きしめた。
『ハイハイ。』
両手を上に伸ばし、ポンポンと背中を優しく叩く。
ハンジは口元を少女の首元に埋め、小声で呟く。
「準備は出来てる?」
『全て完了してるよ。』
「ありがとう、リン!」
更にギュっと抱きしめる。
『全く…ハンジが2日前に無茶な事言うから、私朝から大変だったんだからね!』
リンはハンジを抱き止めながら小声で呟き、昨晩風呂場で話した時の事を思い出していた。
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2日前…一緒に風呂に入る事にしたハンジとリンは、身体を洗いながら話を始めた。
自分の身体を先に流してくれたリンの背中を、今度はハンジが無言で流している。
『…で?お願いって何?』
「うん…実は今回の壁外調査でさ、巨人を捕獲したいんだ!!」
『あ〜だと思った。でエルヴィンの許可は?』
「取ってない…」
『だろうね…』
ハンジの手が止まる。
「でも…どうしても捕獲したいんだ!リンの力を使えば、犠牲なしで捕獲出来ると思うんだ!」
『ふ〜ん。で、私の力を借りたいと?』
「リン……お願い!!」
ハンジが頭を下げると、額が少女の背中に当たる。
『…別にいいけど。』
「そうだよね、ダメだよね……えっ?!」
『だから〜いいよ!』
「……いいの?」
『うん、私も興味あるしね〜!』
「リン〜〜大好きだ!!」
後ろから強く抱きしめる。
『苦…しい。首…絞まってる…』
「あっごめん!嬉しくてつい…。」
2人は立ち上がり、お互い身体の泡を流すと湯船に浸かった。
『で?具体的に私は、どうすればいいの?』
「まず…」
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