鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第8章 :少女の初陣〜壁外調査:中編〜
『リヴァイ〜待った?』
パタパタとリヴァイの馬下まで走って行き、見上げてニッコリ笑う。
「別に待ってねぇよ!それよりテメェ…何だ、その格好は?」
馬上からリンの頭を、鷲掴みする。
『格好?』
「足が出過ぎだ。着替えて来い!」
『え〜ヤダよ、めんどくさい!エルヴィンは可愛いって、言ってくれたよ?』
「チッ!アイツはいつも、そう言うだろうが!あとジャケットと一緒に支給された、兵団のブーツはどうした?」
『だってアレ、動き辛いんだもん!』
「てめぇ…」
更に文句を言おうとしたリヴァイの言葉を遮り、後ろにいた少女に気付いた。
『あれ?リヴァイの班に、女の子がいる〜!』
頭にあったリヴァイの手を解き、少女の馬下へ移動する。
「あっハイ、私はペトラ・ラルです!今回の壁外調査から、リヴァイ班に任命されました!」
ペトラは緊張してるようで、顔の筋肉が引き攣っている。
『そっか〜私はリン、よろしくね!リヴァイは意地悪だけど、仲間思いみたいだから安心していいよ。』
「貴女がリンさん…ハイ、よろしくお願いします!」
急いで馬から降りると、ペコリとお辞儀をした。
『あっそうだ!ペトラ、手出して?』
「えっ?はい…」
不思議に思いつつ手を出すと…その手にもエルヴィンに渡した物とは違う種類の、小瓶に入った可愛いお菓子が乗せられる。
一口サイズのお菓子はカラフルで、まるで宝石のように輝いて見えた。
「わぁ…」
緊張が解れたペトラの顔に、笑顔が浮かぶ。
『私も今日が初陣なの。一緒に頑張ろうね!』
「ハイ!」
リンが笑顔で手を出すと、それをペトラが握り…2人は笑い合いながら握手を交わした。