鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第1章 :絶望の地に、美少女舞い降りる
『いくつ頼んでいいの?』
「ん?どれが食べたいのかな?」
リンはメニューを大きく開く。
『ん〜と…このパンケーキ5段重ねとアフタヌーンティーセット、あとこのパフェとプリンの盛り合わせ。あとケーキ食べ放題も気になるし…』
「「ちょっ〜と待った!!…注文は2つまでで!」」
ナナバとゲルガーは慌てて叫ぶ。
『分かった。じゃあ…パンケーキ5段重ねと、アフタヌーンティーセットで。』
(コイツの胃はどうなってるんだ?!)
(こんなに小柄で、さっきもお菓子沢山食べてたのに…一体どこに入ってるの??)
運ばれて来たメニューを、嬉しそうに口に入れる少女を見つめナナバは口を開く。
「自己紹介がまだだったね!私はナナバ、こっちはゲルガー。私達は同僚なんだ。君の名は?」
『私は…リン。』
「そう…リン、よろしくね!君はこの街の子?」
『違う。好きなお店があって、良く買い物に来るだけ。』
「そうなんだ!ねぇ…さっきはどうして、泥棒した子供を憲兵に渡さなかったの?」
『憲兵が嫌いだから!それにあの子は…きちんと話せば、理解してくれると思ったから。』
「そっか。そういえば…君がさっき持ってた棒は護身用?ちょっと見せて貰えない?」
『…こんな所では無理。』
口元のフォークを離し呟く。
「あぁ確かにそうだね、ごめん。ところで…君はこれから何処か行くの?」
『ううん、宿に帰る。』
「宿?お金大変じゃない?」
『別に…困ってない。』
「良かったら、うちの宿舎に泊まらない?空いてる部屋沢山あるよ!」
『…何で泊めてくれるの?』
ジト目で見つめる。
「それは…もっと君と話をして、仲良くなりたいんだ。ダメかな?」
『…友達になりたいって事?』
「うん、そう!」
『…危険はない?[まぁな。だがまぁ…行ってみれば分かるだろう]』
横を向き何やらボソボソ呟く。
「あっそういえばエルヴィンが内地で、何かお菓子を貰ったって言ってたな。えっと確か…フィ?フィナ?」
『フィナンシェ?!』
「あ〜そんな名前だったかも。」
『フィナンシェがあるの?!…それ食べれるなら、行ってもいい。』
「了解。じゃあ行こうか!」
「おいナナバ、大丈夫なのか?勝手に連れて行って。」
「うん。見つけたら連れて来てって、言われてるしね!」