鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第1章 :絶望の地に、美少女舞い降りる
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少年と別れ、リンはまた歩き出す。
『喉渇いたなぁ…何処かでお茶でもしようかな?』
そう呟き近くのカフェに入り、席に座る。
「ねぇ君、さっきの見てたよ。そんな可愛い格好して、とっても足が速いんだね!」
メニューを見てると突然、声をかけられる。
目線を外し声がした方を見ると、いつのまにか隣に人が座っていた。
ショートカットで中性的な雰囲気のその人はとても格好良く、見た目では性別が分からない。
『…私?』
「うん。突然話しかけてごめんね!良ければ少し、話を聞かせて貰えないかな?」
『聞かせられる事、何もないけど。』
リンはまたメニューに目を戻し、淡々と答える。
「じゃあ君の好きな物、奢るっていうのはどうかな?」
『えっ?いいの?』
顔を上げ、キラキラ目を輝かせる少女に苦笑し頷く。
「うん、だから…」
「ナナバ!お前…勝手に店に入りやがって!」
「ごめん、ゲルガー!…あっ、好きな物選んで少し待っててね!」
そうリンに声をかけるとナナバは静かに席を立ち、店員に声をかけ一旦外に出る。
「探してた子を見つけちゃってね、ナンパしてたんだ。」
「探してた子?…あぁハンジさんが言ってた奴か?」
「そう!小柄で白い服を着た、東洋人っぽい美少女。今隣に座ってる子に特徴が似ててね〜あの子だと思う。瞬発力もいいんだ!」
「ほぉ〜それは気になるな!」
「話を聞く代わりに、好きな物奢る事になったから…ゲルガーも半分出してよね!」
「おぅ、いいぜ!」
(さっきもお菓子食べてたし…2人の手持ち金なら、十分足りるはず。)