鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第6章 :変化する2人の関係〜壁外調査:前編〜
長い沈黙の中、エレンがゆっくりと口を開く。
「リン姉の言い分は分かったし、何か凄い力を持ってるのも分かった。でもその事と俺たちが心配する事は、全然違うだろ?」
エレンはミカサ・アルミンの顔を交互に見て頷き、リンを見つめる。
「俺たちはリン姉に、怪我だってして欲しくないんだよ。例えすぐ治るとしてもな!だから…壁外調査から戻ったら、必ず俺たちに会いに来い!そしたら『おかえり』って、抱きしめてやるからさ。」
エレンはそう言ってニカッと笑い、リンの頭をポンとする。
ミカサとアルミンも、笑顔でリンの両手を片方ずつギュッと握った。
『うん、分かった!必ず会いに行く。約束する!みんな、ありがとう…』
リンは両手を広げ、3人を纏めて抱きしめた。
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エレン達と別れ兵舎の門まで飛ぶと、誰かが壁に寄りかかり腕を組んで立っている。
『リヴァイ?何してるの?』
「てめぇ…遅かったじゃねぇか!」
『待ってたの?ずっと…』
「待ってねぇよ!おまえが勝手にいなくなるから、ハンジが心配して…」
『そっか〜ごめんね。ただいま、リヴァイ!』
リンはニッコリ笑って、リヴァイを見上げる。
チッ
リヴァイは顔を背け、舌打ちする。
そしてその後、リンの頭をポンポンとした後…
「おかえり。」
と小さく呟いた。
『うん、何かいいね〜"ただいま"・"おかえり"って!あっリヴァイ、お土産あるの。』
「土産?」
『紅茶のマフィン買ったから、一緒に食べよう!』
「悪くねぇ…。茶はおまえが淹れろよ?」
『うん!』
リヴァイの腕に嬉しそうにしがみつき、兵舎に戻って行った。
6章 fin.