鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第6章 :変化する2人の関係〜壁外調査:前編〜
「えっ?!リンさん…壁外調査行くのか?兵士でもないのに?」
ジャンは椅子から立ち上がり…何事もなかったように、菓子を食べ続けるリンを見つめている。
『ん?うん、行くよ。兵士じゃないけど、私にも出来る事はあるからね。』
リンは平然と答える。
その答えにミカサやアルミン達は絶句し、シンとした空間で少女の咀嚼音だけ響く。
「ダメだよ…行くなよ、リン姉!」
『エレン?』
「壁外調査の死亡率は3割と言われてる…そんな場所に兵士でもないリン姉が行って、何が出来るんだよ!」
『私の役目は【戦闘補助】と【怪我の回復&手当て】だよ。陣形も最前線じゃないし、隊にはリヴァイの次に強いらしいミケもいる。…別に問題ないと思うけど?』
「問題あるだろ!俺が守るって約束したのに…俺の手の届かない場所で、死にに行くような事するなよな!」
『大丈夫だよ、エレン。私、絶対死なないから。』
「は??…何だよ、それ。」
『そういう【契約】をしてるから、大丈夫なの。』
「ッ…何言ってるか、分からねぇよ!人は簡単に死ぬ。死なないって言っても、死なせたくないって思っても…人は簡単に死ぬんだよ、母さんみたいに!!」
『エレン…』
エレンの叫び声が響き渡り、店内がシンと静まり返る。
気まずい雰囲気の中、サシャとコニーは居たたまれなくなり…また食事を再開した。
そしてリンは静かに口を開く。
『エレン…無神経な事を言ってごめん。ご飯の後…私の話、きちんと聞いて欲しい。』
「……分かった。」
『ありがとう。じゃあもう時間もあんまりないし、まずはご飯食べよう!』
そう声をかけると、4人もまた食事を再開した。