鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第1章 :絶望の地に、美少女舞い降りる
リンは少年の手を取り、来た道を戻る。
そして店の前に来ると少年に向き直る。
『ハイ!お菓子返して、謝る!ごめんなさい!』
「…ご、ごめんなさい。」
少年はお菓子を差し出し、深く頭を下げた。
「坊主、よく謝りに来たな!腹が減ってるなら、今度は盗む前に言え!店手伝ってくれたら、菓子やるから。」
店主は少年の頭をガシガシ混ぜて、ニカッと笑った。
「許して…くれるの?」
「おぅ!常連のリンちゃんに免じてな!」
「ありがとう!今度はちゃんと働く。」
少年はニコッと笑う。
それを見てリンも笑った。
『さぁ〜一緒にお菓子食べまくるよ〜!おじさん!新作のお菓子含めて、いつものお菓子沢山詰めてね!』
「任せとけ!新作の菓子は試食だから、オマケしとくよ〜。その代わりちゃんと、感想聞かせてくれよ〜!」
『OK!』
リンは色んな種類のお菓子が入った大きな袋を持ち、少年と近くのベンチに座る。
そしてその中から小さな袋に菓子を小分けし、少年に渡した。
「えっ…これ」
『沢山あるから、お家にも持って帰ってね!』
「ありがとう!母ちゃんや妹達にもあげたかったんだ!」
『その代わり…今度は盗まずちゃんと労働して、その報酬として貰う事!いいね?』
「うん、約束する!」
『よし、じゃあ食べよう!』
2人は笑顔でお菓子を頬張る。
その全ての出来事を、1人の女兵士が見ていた事など…知る由もなかった。