鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第6章 :変化する2人の関係〜壁外調査:前編〜
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『さぁ、今日は美味しいものを沢山食べるよ〜!』
拳を握り、その手を空に伸ばして叫ぶ。
「どこに行くんだよ?」
『それはね〜私が行きつけの…』
「あれ?エレンにミカサ…それにアルミンじゃないですか?こんな所で何してるんですか?」
門から少し離れた所で、少女1人と少年2人に声をかけられる。
「サシャ…それにコニーにジャンも。君達こそ、どこかに行く途中?」
アルミンは3人の私服姿を見て、出かける途中だと悟る。
「せっかくの休みだから、街に出てみようって事になってな!お前たち3人はいつも一緒だな。本当に仲良しで…えッ」
エレンの姿で隠れていた少女が突然目に飛び込み、ジャンは目を見開き硬直した。
「えっ?!えっと…そのキレイな方は、3人のお知り合いですか?」
サシャが恐る恐る声をかける。
「おう、まぁな!俺たちの姉さんみたいなものかな?」
『はじめまして!リンです。』
小柄な少女はワンピースの裾を少し持ち上げ、お辞儀をした後に3人に優しく笑いかける。
(美少女だ…)
(天使ですか?!)
(スッゲーキレイな人だな!)
ジャン,サシャ,コニーはそれぞれの感想を心の中で呟き、リンを凝視する。
「どこへ行くのですか?」
『美味しいもの食べに行くの!』
「美味しいもの〜!?肉ですか?!それは…羨ましい。」
サシャの口端から涎が見える。
『肉じゃないけど…一緒に来る?』
「え"ぇぇぇ〜いいんですか〜?!」
『いいよ、奢らないけど。』
「えっ…」
『【えっ?】じゃないでしょう!私自己紹介されてないけど?名前も知らない人に奢るほど、私は優しくないよ。』
リンは腰に手を当て、3人を見上げて軽く睨む。
「失礼しました!私は104期訓練兵:サシャ・ブラウスであります!」
「同じく104期訓練兵:コニー・スプリンガーです!」
「俺も104期訓練兵:ジャン・キルシュタインです!」
3人は右手を左胸に当て、兵士の敬礼で挨拶する。
その途端リンは笑い出した。
『私は兵士じゃないんだから敬礼なんてしなくていいし、そんなに畏まらなくていいんだよ?でも挨拶、ありがとう!』
ふわりと笑うと、ジャンは顔を赤らめまたもや硬直し動けなくなった。