鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第6章 :変化する2人の関係〜壁外調査:前編〜
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リンはまた訓練兵団前にいた。
今度はエレン達の休みを確認し、きちんと約束を取り待ち合わせたのだ。
リンのレースをふんだんに使った、白い膝丈ワンピースはとても可愛らしく目立ち…兵団の門付近を歩く兵士達の目に止まる。
見られてる事は意識していたが、特に気にはせず…その場で大人しくエレン達を待つ。
「リン姉(ねぇ)〜!!」
私服のエレンが走って近付いて来る。
その後ろにはミカサと金髪の少年もいる。
「エレン、ミカサ!」
そう言ってリンは両手を広げ、まずエレンを抱きしめる。
『半月ぶりくらい?』
「だな〜。今日はリン姉の話、沢山聞かせて貰うからな!」
『うん、いいよ!私も会えるの、楽しみにしてたんだからね。』
「あっそうだ!今日は俺の親友も一緒なんだけど…いいかな?」
エレンは身体を離し、金髪の少年を見る。
「あっ、はじめまして!アルミン・アルレルトです。僕はエレンとミカサの幼馴染で…」
『貴方がアルミン!いつもエレンと仲良くしてくれて、ありがとう!』
そう言ってリンは、アルミンも抱きしめる。
「えっ?!あ…いえ。」
アルミンは抱きしめられたまま、真っ赤な顔で助けを求めるようにエレンを見るが…エレンは笑って見ているだけ。
「アルミンもリン姉の洗礼、受けたな!これで俺たち仲間だ!」
『ミカサもおいで〜!』
リンはもう片方の腕を広げ、ミカサを呼ぶ。
「あ…いえ。」
ミカサは珍しくモジモジして、エレンを見る。
「遠慮すんなって!リン姉は、気に入った奴を抱きしめる事が好きなんだ。」
ミカサはコクンと頷くと、おずおずとリンの腕に近付く。
そして広げた腕に飛び込んだ。
『…いつもエレンの側にいてくれて、ありがとう。これからもエレンを、よろしくね!』
リンは本当の家族のように姉のように、アルミンとミカサを抱きしめながら頭を撫でた。