鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第6章 :変化する2人の関係〜壁外調査:前編〜
「入れ。」
「団長、失礼します。あっ、ハンジ分隊長…やはりこちらでしたか!貴女にサインして頂く必要がある書類が、沢山あるんです!!」
「え〜モブリットがしておいてよ!私は今、忙しいんだよ!!」
「あ?てめぇ、どの口が言ってんだ?さっさとやれ!」
リヴァイはハンジを睨み、脛を蹴ろうとしたが…ハンジはサッと交わしてリンの後ろに逃げる。
「あっそういえば肝心な事聞くの忘れてた!エルヴィン、今回の壁外調査…リンをどこの班に入れるの?」
「あぁそれは私も悩んでいてな…リヴァイ、お前はどう思う?」
「俺の班は無理だな。前線になるし、今回新しい班員も入るからな…リン1人をずっと見てる余裕はねぇ。…ミケの班はどうだ?あそこならナナバとゲルガーもいるし、リンも懐いているだろう?」
「あぁ、やはりそこが1番適任だろうな。ではミケとナナバを呼んで…」
「ちょ〜っと待ったぁ〜!!リンはうちの班がいいよ!うちの隊には仲良しのモブリットやニファがいるし、リンがいれば安全に巨人も捕獲出来る!」
ハンジがモブリットを指差し、全員モブリット見ると「無事で良かった」とリンの頭を撫でていた。
(こいつも同じか…)
「巨人の捕獲を許可した覚えはないが?」
エルヴィンはカップを机に置き、ソファーに浅く座り直した後ハンジをジッと見つめる。
「だって〜リンは巨人を気絶させる事が出来るんだよ?気絶した巨人を捕獲するなら、犠牲は出ないだろ?これは好機だと思うね!」
エルヴィンは大きくため息を吐く。
「ハンジの言い分も理解出来るが…リンの力を見た事がない我々に取っては、リスクが高過ぎる。まずはこの壁外調査で力を確認してから、追々考えて行く事にする。分かったな、ハンジ。」
「…分かったよ。」
ハンジは全く納得出来ないような顔で、渋々了承したのだった。