鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第6章 :変化する2人の関係〜壁外調査:前編〜
「よし!その調子で知らない人からは、ちゃんと断るんだよ?」
『分かった!でもやっと理解出来たよ〜兵舎でみんながしてた儀式みたいな行動も、リヴァイの言動も。』
「リヴァイ?」
「っ…オイ!」
『さっきリヴァイに、抱きしめられたから。』
「えっ?リヴァイ狡いよ〜抜け駆け!!」
「うるせぇ、クソメガネ。」
リヴァイはチッと舌打ちする。
「リヴァイは既に済ませていたか…。では次は私の番だな。おいで、リン!」
エルヴィンは近くのソファーに座り少女と視線を合わせ…両手を広げて寄って来た小さな身体を、優しく抱きしめた。
「あ〜エルヴィンも狡いよ、次は私!」
「てめぇはさっき、やってただろうが!」
「あれは違うの。もっとちゃんと、抱きしめたいの!だってリン、さっきすごく良い香りしたからさ〜!」
「うん…確かに、良い香りがする。これは香油か?」
『違うよ〜。これはボディーソープとシャンプー&リンスが一緒になってるやつで、私が作ったの。エルヴィンのも作ろうか?リヴァイのも約束したし。』
「ほぉ…リヴァイのも?」
エルヴィンはフッと笑い、チラリとリヴァイを見るが…リヴァイは何事もなかったように視線を逸らしている。
「そうだな、私のもお願いしよう!」
『いいよ!』
「じゃあリン、私のも作ってよ!」
『えっ?いや…ハンジは要らないでしょう?』
「必要ねぇな。」
「必要あると思えないな。」
リンの言葉の後に、リヴァイ・エルヴィンがほぼ同時に呟く。
「何でだよ!」
『3日以上お風呂に入らない人に、必要あると思えないけど?』
「だな。」
「入るよ〜リンが作ってくれたら!毎日入る!」
『え〜〜』
訝しげに3人はハンジを見る。
そこへ…
コンコン
話を遮るように、扉がノックされる。