鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第1章 :絶望の地に、美少女舞い降りる
それから数日後…
〜トロスト区〜
『おじさん、このお菓子美味しいね!私ここのお菓子、大好き!』
「リンちゃんにそう言って貰えると、自信持って店頭に並べられるよ。いつも沢山買ってくれて、ありがとな!」
お気に入りの菓子屋で、いつものように顔見知りの店主と談笑する。
『こちらこそ!新作も毎回楽しみなんだよね〜!』
「おっ、新作と言えば…今回も作ったよ!味見して行ってくれ。」
『やった〜!!』
「これなんだけど…」
「アンタ、後ろ!泥棒!」
女将の声で店主とリンが振り向くと、菓子を持った若い男が走り去って行く。
「クソ!待て、この野郎!」
『おじさん、私が行く!』
「リンちゃん、危ないよ!」
『大丈夫〜!!』
叫びながら走り出し、男を追いかける。
『待ちなさ〜い!ライキ!!』
リンの右手に伸縮性の棒が現れ、その棒を男の足元に投げる。
「うわぁ〜!」
男は前のめりになり、その場に膝をついた。
『捕まえた!覚悟しなさ…えっ?子供?』
菓子を持って転んだ男をよく見ると、少年だった。少年は泣きそうな顔でリンを見上げる。
『お腹…空いてるの?』
少年は無言で頷いた。
『そっかぁ…。でも盗みは良くない!特にあそこのお店は、私のお気に入りなんだからね!…よし、一緒に謝りに行こう!それでその後、一緒にお菓子食べよう!!』
「えっ?!」