鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第5章 : ◆◇ 心の居場所 〜自覚〜 ◆◇ /リヴァイ
辿り着いた郷は酷い有り様だった。
どうやら何者かの襲撃に遭ったらしく…そこら中に死体が転がり、店や住処も完全に崩壊していた。
それを見たリンの力は、案の定暴走した。
崩れ落ち脱力した小さな身体から、激しく光が迸り…誰も近付く事が出来ねぇ。
俺は迷う事なく、リンの元に走り寄り抱きしめた。
雷獣に言われたからじゃねぇ、身体が勝手に動いた。
光の矢は俺の身体を次々貫き、激しい痛みを与える。
めちゃくちゃ痛ぇ…
だが俺はリンを離さなかった。
「リン!落ち着け!」
強く抱きしめる。
「リン!目を覚ませ!俺の体温を感じろ!」
俺の声を聞け!
俺の名前を呼べ!!
俺はここにいる…
リン!!
暫くすると脱力してたリンの手に力が戻り、俺の背中にも手を回し抱きしめ返して来た。
そして…
初めて俺の名を呼んだ。
『リ…ヴァイ…リヴァイ!!』
俺の胸に縋りつき、大きな声であいつは泣いた。