鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第4章 :回り始める運命、絶望の中にある優しい鼓動
---------------------------
呼吸が落ち着いた頃…リヴァイが静かに声をかける。
「落ち着いたか?」
『うん。ありがとう、リヴァイ!』
渡したクラバットで涙を拭き、顔を上げて笑顔を見せるリンに安堵し…リヴァイは身体を離す。
「痛ッ…」
光線に刺された身体が、忘れた頃に痛み出す。
『リヴァイ?!私怪我させたの?ごめん!すぐ治す。ライキ!』
ライキが身体の中に戻ると、リンの手に光が収束する。
そしてリヴァイの身体を包み…
(痛くねぇ…)
「…お前の守護獣とやらは主の回復だけじゃなく、他人の回復も出来るのか?」
『うん。まだ契約前だし力のコントロールが出来ないから、治すスピードは遅いけど。』
「そうか…助かった。」
『ごめん…巻き込んで。』
リヴァイの袖を掴み、頭を下げる。
「もういい。俺がしたくてした事だ。それより…さっき拾ったやつは何だ?」
『これは…』
手を開き…握っていた小さな銀の鈴を見せる。
ハンジとモブリットも側に寄り、一緒に手のひらを覗く。
『郷の住人である証。私も持ってる…これ!』
髪の毛を揺らし、髪飾りに付いてる自分の証:金色の鈴を見せる。
「…壁外で初めてお前を見た時聴いた音は、この音だったのか。」
『えっ?!』
「はぁ?」
「ん?」
[何ッ?!]
リン,ハンジ,モブリット,ライキは驚いた顔で、リヴァイを凝視する。
「なんだ?」
「音って…何?私は何も聞こえないけど?」
ハンジは首を傾げる。
「あ"?何言ってんだ、てめぇ。」
「いえ…私にも聞こえませんが。」
モブリットも続けて答える。
「はぁ?」
『リヴァイ…この音、聴こえてるの?…壁外でも?』
「小さい音だが、耳には届いている。」
〔フッ…さすがだな。やはり私が見込んだだけある。〕
『…この鈴の音は本来、郷の住人か東洋人にしか聴こえないの。どうしてリヴァイには、聴こえるんだろう?』
「知るか。」
突然ハンジが笑い出す。
「アハハハハ!やっぱりリヴァイは凄いや!誰も勝てない訳だよ〜!」