鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第3章 :嬉しい再会と、勘違いの行方
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少し時間を空けて訓練兵団に移動すると…出入口に門兵が立っており、リンは笑顔で挨拶をした。
『こんにちは!』
「えっ?あっ、こんにちは。」
(誰だ?この美少女は!)
見た事もない少女に見惚れ、顔を赤め固まる。
しかしその横を普通に通り過ぎようしている姿で我に返り、少女の行く手を遮る。
「あっあの、今は訓練中で…」
可愛い顔でジッと見つめられ狼狽えていると、門外から2人の男女が走って来る。
「エレン…早く行かないと、座学に遅れる。」
「分かってるよ!ちょっと忘れ物しただけなのに、何でお前までついて来るんだよ!」
門兵はリンから目を逸らし、2人に向かって叫んだ。
「おい、お前達!なぜここにいる?まだ訓練中だろ?」
「あっハイ!実は忘れ物をしてしまって…」
『エレン?』
「えっ?あっ!もしかして…リン姉?!」
『エレン!!』
リンはエレンの首に飛び付いた。
「うおっ!」
久しぶりに会った少女にビックリはしたが、難なく受け止め小さな背中に手を添えた。
『こんな所で会えると思わなかった!凄い久しぶりだね。元気そうで良かった!!』
「あぁ、ホント久しぶりだな!4〜5年ぶりくらいか?…リン姉も変わらないな〜この抱きつく癖!」
『いいでしょう?愛情表現なんだから。エレンは背も伸びて、男らしくなったね!』
(リン姉は相変わらず、小さくて可愛い…)
身体を離し2人笑い合ってると、その間にミカサが強引に割り込む。
「エレン、この人は誰?」
「ミカサ!この人は…」
『ミカサ?あなたがミカサ?』
「えっ?はい…」
『私、貴女に会いに来たの!貴女は…東洋人?』
「えっ?あ……」
唐突に聞かれ、ミカサは返答に困り黙る。
「ミカサ、この人は大丈夫だ!」
一度エレンと視線を合わせ小さく頷き…
「……はい。」
と返事をした。
その返答を聞くと同時に少女の顔が嬉しそうに綻び、ミカサをギュッと抱きしめた。
「えっ?!」
『生きててくれて…ありがとう!』
「あ…あの?」
『あっ、突然ごめんね。私はリン!貴女と同じ、東洋人だよ。』
「え…」
ミカサは目を見開く。