鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第3章 :嬉しい再会と、勘違いの行方
「【ミカサ・アッカーマン】確か、彼女が東洋人だ。」
『アッカーマン?』
「ん?知ってるファミリーネームか?」
『あ〜ん〜うん。私のストーカーと同じ名前だなって…』
「そうか…えっ、ストーカー?」
エルヴィンは口元に手を当て、何か考えてる少女を凝視する。
(まさか…あの男とミカサ、何か関係があるの?…それだけは考えたくない!!)
「大丈夫…なのか?」
『あ〜大丈夫!今のところ、あの男は無害だから。ただまぁ…会う度【嫁になれ】とか【俺の子供を産め】って言って来て、面倒くさいけど。』
「何…だと?」
(何者だ?少し調べるか…)
ハンジの溺愛ぶりに隠れて分かりづらいが…エルヴィンにとってもリンは、特別な存在になっていた。
団長である自分に物怖じなく話しかけ、無邪気にお菓子を食べる姿が可愛くて…まるで自分に妹か娘が出来たような感覚だった。
「リン、その男の名は…」
『そんな事より私、訓練兵団に行きたいんだけど…勝手に行っても入れる?』
少女はエルヴィンの問いを遮り、詰め寄る。
「いや、難しいな。だが私が兵団に、伝令を出しておこう!君なら移動も一瞬だろうから、少し時間を空けてから行くといい。」
『ありがとう、エルヴィン!帰ってきたら、一緒にお茶しようね!』
「あぁ、気をつけて行っておいで。」
そう言って自分を見上げ笑う少女の頭を、エルヴィンは優しく撫でた。