鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第23章 :7章 番外編 いじめと本音と制裁と
「服の事、私も気になってました!リンさんの服って…凄くその…高いですよね?」
ペトラは遠慮がちに、少女に問いかける。
『ん〜高い…のかな?私サロンと知り合いで、全て任せてるから…正直値段とか全然知らないんだよね。』
(こういう所…謎だよなぁ。)
ペトラとニファは心の中で呟く。
「リンの服は、全て特注なんだって。大体あんなにレースやリボンが沢山付いてる可愛い服、高くないわけないよね。つまり…弁償は相当な金額だ。」
「…ですよね。」
ナナバはフフと笑い、お茶を一口飲む。
「兵団の給料では賄えないからね〜辞めてからも払い続ける事で、団長は退団を許可したらしい。」
(まぁ…リヴァイは納得してなかったけど。)
リヴァイの表情を思い出し、口元を緩めた。
『誰かが自分の為に怒ってくれるのって…何か嬉しいよね。』
「…だったらたまには、ハンジに優しく接してみたら?」
『だって…ハンジは優しくするとすぐ、調子に乗るじゃない!でも…ハンジの事好きだし、たまに…凄いと思うよ。』
バターン!!!
少女が呟いたと同時に、扉が勢い良く開き…
「おっ待たせ〜!!!」
大きな音と共にハンジが入って来る。
3人はビクッと身体を震わせた。
「…ちょっとハンジ!私の部屋の扉を、壊さないでくれる?!」
放心状態の3人を他所に、ナナバはハンジに文句を言い放つ。
「壊れてないよ〜大丈夫!でももし壊れても、ちゃんと直すから安心して。それより…リン今、私の話してなかった?」
「そんな事どうでもいいよ!よく見なよ、ここ…金具が壊れてる。こんなんじゃ扉が閉まらないよ。大体…直すのは君じゃなく、モブリットだろ?」
壊れた扉を開けたまま、2人が言い争ってると…
「おいてめぇら、夜中に騒ぐんじゃねぇ!!」
突然怒号が聞こえ、5人はそちらに目を向けた。
『あっ、リヴァイ!まだ起きてたの?』
「仕事だ!」
機嫌悪そうに睨むリヴァイが、扉の外で腕を組み仁王立ちしていた。
その姿を見たペトラとニファは、そそくさと寝巻き姿の自分を隠し…カーディガンを羽織る。