鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第23章 :7章 番外編 いじめと本音と制裁と
「うん、了解!君の気持ち受け取ったよ。あとは私達に任せて、リンは部屋の片付けをしてくるといい。リヴァイも手伝ってくれるから。」
ハンジはそう言うと、リヴァイに目配せする。
「あぁ…行くぞ。」
お菓子の皿とティーカップを片付け終えたリヴァイは、少女の瞳を見つめ手を差し伸べた。
無言でその手を掴み、素直にリヴァイについて行くリン。
その後ろ姿を見送り…ハンジはモブリットに向き直った。
「じゃあモブリット!今回の件に関わった女兵士を全て、講堂に集めて来て。あと今兵舎内にいる、全ての隊のリーダーもね。」
「了解です!」
「…ライキ殿、女兵士の特定をお手伝い頂けますか?」
エルヴィンが白い獣を見つめお願いすると、ライキも静かに動いた。
「頼んだよ!」
ハンジの言葉に、モブリットとライキは部屋を後にした。
「でも…リンは優し過ぎるよ!私がもし同じ目にあったら、キレて復讐するけどね!!」
「…我慢してるのではないか?」
「我慢?」
「東洋人は酷い迫害を受けていたと、彼女に聞いただろう?何年も同じ目に遭えば、その状況に皆諦めてしまうのかもしれない。きっと何をされても【東洋人だから仕方ない】と思い込んでいたのだろう。」
「そんな…そんなの、悲しいよ。」
艶やかでサラサラの黒髪・シミや傷跡のない白くて綺麗な肌・ピンク色でぷるんとした形の良い唇・小顔で長いまつ毛に二重瞼…何処をとっても完璧な【美少女】と言って良い風貌と少女の笑顔を思い出し、ハンジは溜息を吐く。
「あんなに可愛くて優しい子が、いわれなき中傷を受けていた事に腹が立つ!だから…しっかり、罰は受けて貰うよ。」
自分達のこの行動が少しでも、少女の心の救いになるように…ハンジは心で願った。