鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第23章 :7章 番外編 いじめと本音と制裁と
『…うん…【特別大切な服】…あるよ。』
少女のその言葉でリヴァイは、誕生日の翌日にあった出来事を思い出していた。
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タタタタ
軽やかな足音が聞こえる。
(チッ…またあいつ、廊下を走りやがって…埃が立つだろうが!)
廊下に向かおうと立ち上がると同時に、執務室の扉が勢い良く開く。
『リヴァイ、見て見て〜!』
少女が白い服で飛び込んで来た。
それは…リボンとレースがふんだんに使われた白いワンピースで、いつもより丈も短く裾がふわふわしている。
『ね〜ね〜可愛い?』
少女がくるりと回ると…腰の大きなリボンが揺れ、レースの裾もふわりと舞う。
リヴァイは素直に可愛いと思い、フッと口元を緩めた。
「あぁ…いいんじゃねぇか。」
『でしょでしょ!』
「それどうした?」
『…お父さんからの誕生日プレゼント、さっき届いたの。』
「父親から?」
『うん、事前に…用意してくれてたみたい。カードにお祝いの言葉と…マナが一緒に選んでくれたって、書いてあった。』
「そうか…良かったな。」
『うん、凄く嬉しい!お父さんに服貰ったの、初めてなの。』
少女は本当に嬉しそうに笑った。
昨夜、誕生日ケーキを見た時の笑顔と同じように…。
『でねでね〜このワンピース、ガーターも付いてたの。ワンピースとお揃いで、凄く可愛いんだよ〜ホラ!』
少女は裾を捲り、スカートの中のガーターを見せようとする。
「バカが、捲るな!」
リヴァイは慌てて少女を止めるが…
『でも可愛いんだよ?ホラ〜ねっ!』
白くて綺麗な太腿と一緒に…可愛らしいリボンとレースの、白いガーターリボンが見えてしまう。
「おまえは…」
(こいつ…足も綺麗だな)
呆れた声を出すリヴァイだったが、しっかり少女の足は見ていた。
『可愛いでしょ?』
「分かった…分かったから、そろそろ裾を下ろせ!」
『か・わ・い・い・で・しょ?』
「あぁ…可愛い。」
『やった〜!リヴァイに1番最初に見せに来て、良かった!』
(1番最初か…悪くねぇ。)
微笑を浮かべるリヴァイ。
『じゃあエルヴィン達にも、見せて来るね〜!』
「あ"?おい、ちょっと待てリン!お前ガーターは絶対、他の奴に見せるなよ!」
書類をそのままに…慌ててリヴァイも、少女を追いかけたのだった。
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