鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第23章 :7章 番外編 いじめと本音と制裁と
リンは全て話し終えると椅子に深く座り…やっと落ち着いたかのように、リヴァイが入れた紅茶とエルヴィンが用意した菓子を口に含み『美味しい』と呟いた。
その姿を見てエルヴィンは口元を緩め、モブリットはホッと胸を撫で下ろす。
しかし…
リヴァイの眉間にはいつも以上深く、皺が刻まれていた。
少女の身に起きた出来事も勿論腹が立つが…あの無防備な姿で食堂に居た事を想像すると、イライラして仕方ない。
(あんな格好を俺以外の男に見せやがって…あいつには恥じらいというものを、教える必要があるな。)
1人、そんな事を考えていた…
「…経緯は分かった。この件は、ハンジにも話す必要があるな。モブリット、呼んで来てくれるか?」
「承知しました。ではすぐに…」
モブリットが踵を返し、ハンジを呼びに行こうと扉の前に立つと同時に…激しいノックが聞こえ扉が開かれる。
「エルヴィン!ついに完成したよ、巨人捕獲網が。是非見て欲しい!」
いつものように…ハンジがエルヴィンの返事も聞かず、ずかずかと部屋に入って来る。
「タイミングいいな、ハンジ。」
エルヴィンはノックの事は敢えて突っ込まず、ハンジを見つめる。
「ん?何が?」
「今呼びに行こうと思っていた。」
「そうなの?あれ…リン、こんな所でお茶?私も呼んでよね〜!」
いつものようにお菓子を頬張る少女に、ハンジは笑顔を向けた。
『ハンジ、これワンピースに見えるよね?』
立ち上がりジャケットを取ると、クルリと回る少女。
「馬鹿が、脱ぐな!」
慌てて立ち上がり、肩にジャケットを掛け直すリヴァイ。
「ん〜よく見ると…ワンピースにしては裾も短いし、透け感もある気がする…かな。」
「チッ、それは寝間着だ。」
「えっ?寝間着なの?!」
驚くハンジに、エルヴィンは少女に聞いた経緯を話して聞かせた。
暫く無言で話を聞いていたハンジは、入って来た時とは違う真剣な表情をしていた。
「それは…大問題だ。それで…犯人は分かってるの?」
『私は分からない。でもライキが…』
〔臭いで分かった〕
白い獣がゆらりと少女の影から姿を現し、静かに横に座る。
〔マスターの部屋は香水臭かった。だがマスターは香水を付けない。我らが匂いに敏感だからだ。〕
「それで…」
〔つい最近嗅いだ事のある、女兵士の臭いだ。〕