鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第22章 :11章 番外編 夜会❷〜貴方とワルツを〜
リヴァイはまだ少しフラつきながら歩く、少女を支えながらトイレに連れて行く。
そしてその前で待機してると…頰の赤みが抑えられた、リンが出て来た。
「おいリン、なぜ約束を破った?」
『約束?』
「酒とケープだ!」
リヴァイは腕を組み…少しイライラしながら、少女を睨む。
すると…
『リヴァイが悪いんでしょ!!』
「あ"?」
『リヴァイが褒めてくれないから…』
「は?」
『今日のこのドレスも髪も、リヴァイの為に可愛くしたのに…リヴァイに可愛いって言って欲しかったのに、文句ばっかり言って全然褒めてくれないから!』
「俺のため?」
それと約束を破った事が、比例するのか謎だったが…リヴァイには十分な理由だった。
『リヴァイに可愛いって言って欲しかったのに…リヴァイの馬鹿!』
そう言ってリンは、早足で歩き出す。
「おい待て、リン!」
リヴァイは少女の腕を取ると、強引に自分の方へ向かせる。
「悪かった…。」
『謝って欲しい訳じゃない…』
「そうだな。俺はどうやら、言葉が足りないらしい。」
『……。』
リヴァイは少女の腕を離し…髪から足の先までもう一度じっくり観察する。
そして…ゆっくり口を開いた。
「…一度しか言わねぇから、よく聞け。リン今日のお前は…入口で会った時から、クソ可愛いと思っていた。会場中見回しても、お前よりイイ女はいない。お前は最高だ!」
『…えっ…』
リンの瞳が、驚きで見開く。
「お前が可愛い過ぎるから…他の男の目に止まらせたくなかった、触れさせたくなかった。酒もケープも、俺のワガママだ…悪かったな。」
言い終わると、リヴァイは腕を組みプイと横を向く。
そしてチラッと少女を横目で見ると…少女は満面の笑みを浮かべていた。
『嬉しい!!ありがとう、リヴァイ!』
少女の笑顔を見て、リヴァイも口元を緩める。
『リヴァイもめちゃくちゃ、カッコイイよ!』
「…そういう事は、早く言え。」
『言うタイミングがなかったのは、リヴァイのせいでしょ?もう…』
2人は自然と手を繋ぐ。
「酔いは冷めたのか?」
『うん!だからもう1回、踊ろう!今度はワルツを。』
「いいだろう。」
仲直りした2人は手を繋いだまま、広間へ戻って行ったのだった。