鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第22章 :11章 番外編 夜会❷〜貴方とワルツを〜
リヴァイはボーイの反応を見逃さなかった。
少女を腕から離すと、ボーイを鋭く見つめる。
「おい、お前!こいつはお前に、何と言った?」
「薔薇を、摘みに行きたいと…」
チッ!
「便所は薔薇じゃねぇ、花摘みだろうが!」
リヴァイは少女の額を、ピンっと弾く。
『痛いよ、リヴァイ!薔薇もお花なんだから、一緒でしょ?』
額をさすりながら、口を尖らす少女。
「馬鹿が…意味が全然、違えんだよ!おい、お前…」
「ひぃ…ハッ、ハイ!」
怯えた瞳でリヴァイを見つめるボーイ。
「悪いな…こいつの言葉間違いだ。」
「い…いえ。」
「だが…こいつに酒を飲ませたのは、テメェだな?俺は【飲むな】と言っておいた。こいつは断ったんじゃねぇか?」
「……ハイ。」
怯えてはいるが、リヴァイの圧が凄く目を逸らせない。
「…今回はこいつにも落ち度がある。だが二度はねぇ…失せろ!!」
「ハッ、ハイ!申し訳ありませんでした〜!!」
ボーイはベンチに置いたジャケットを掴むと、一目散に走り去って行った。
リヴァイはベンチに置き去りにされた、少女のケープを掴むとパンパンと叩き…少女の肩にふわりと乗せた。
(ケープも勝手に外しやがって…俺以外の男に肩、見せんじゃねぇよ!)
そんなリヴァイの気持ちも露知らず…
『リヴァイ…私早く、お手洗い行きたい。』
酔いの覚めきってない赤い頰・潤んだ瞳・上目遣いで、リンはリヴァイの腕に抱き着き懇願する。
(コイツ…)
危機感というものが何か、躾直す必要性を感じ…リヴァイは深く溜息を吐いたのだった。
追記
◉お花を摘みに行く
→トイレ
◉薔薇を摘む
→処女又は童貞を奪ふこと