鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第22章 :11章 番外編 夜会❷〜貴方とワルツを〜
エルヴィンに呼ばれたリヴァイは、呼びに来たハンジを殺しそうな目で鋭く睨み…ハンジと共にテラスを去って行った。
去り際…
「おいリン、お前も広間に戻れ。俺達の目の届く場所にいろ。」
そう言い残した。
山積みにあったケーキが、既に皿から無くなっていた為…少女も一緒に立ち上がり2人に着いて行った。
そして次は焼き菓子のテーブルへ行き…皿に焼き菓子を乗せて行く姿を確認したリヴァイは安堵し、エルヴィンの元へ向かったのだった。
(喉渇いたな…)
焼き菓子を食べ過ぎ、飲み物を探してキョロキョロ辺りを見回していると…1人のボーイがスッと飲み物を差し出す。
「お嬢様、こちらの飲み物はいかがですか?」
『えっ?あ〜でも私、お酒はちょっと…』
「こちらはアルコール度数も低くジュースみたいで、とても飲みやすいですよ?」
『そうなの?…よく見たら綺麗ね!』
少女は淡いピンク色のお酒を、キラキラした瞳で見つめる。
[マスター…]
[分かってるよ〜リヴァイに言われた事でしょ?でも本当にジュースっぽいし、ちょっとだけ…ね!]
[……]
『ありがとう、頂きます。』
ボーイからグラスを受け取る。
そして少し口に含むと…
『美味しい!』
そう笑顔で返した。
ボーイはその笑顔に顔を赤くし、少女の飲む姿をボーッと眺めていた。
『ねぇ、これまだある?私喉渇いちゃって…もう少し飲みたいんだけど。』
小さな背故に…無意識に上目遣いで、お願いする少女。
「…ッ!あっ、ハイ!お待ち致します。」
ボーイは急いで会場の裏へ戻って行く。
そしてすぐ沢山のグラスをトレイに乗せ、戻って来た。
『ありがとう。』
リンはボーイから追加のグラスを受け取ると、ジュースのようにゴクゴクと勢いよく飲み干していったのだった。
(ん〜何か暑い…)
少しだけ飲むつもりだった酒を、結局4杯も飲んでしまったリンは…赤くなった頰を両手で押さえた。
そしてリヴァイに絶対取るな!と言われていた、ピンクレースのケープを脱いだ。
白く華奢な肩が露わになり…ボーイはゴクリと唾を飲み込む。
「あっ、お預かりします。」
ボーイは少女が脱いだケープを受け取った。