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鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】

第22章 :11章 番外編 夜会❷〜貴方とワルツを〜



両手にケーキが沢山乗った皿と、飲み物を器用に持ち戻って来たリヴァイは…リンと違う残り香を察知し、訝しげに顔を顰める。

「誰と話していた?」
『ん?知り合いが会場に来てて、挨拶しただけだよ。』
「知り合い?男じゃねぇだろうな?」
『違うよ。それより…私の好きなもの、沢山持って来てくれてありがとう!早速貰うね。』

リンはリヴァイの手から皿を受け取ると、テラスの椅子に座りケーキを口に運ぶ。

リヴァイもため息を吐くと、飲み物をテーブルに置き…足を組んで座ると、シャンパンを一口飲んだ。


『リヴァイもケーキ食べる?』
「あ?いらねぇよ。」
『でもこれ紅茶ケーキだから、リヴァイ好きだと思うよ?ほらっ!』

リンはフォークでケーキを掬うと、リヴァイの口元に差し出した。

そして気付く…
リヴァイが極度の潔癖症である事を。

『あっ、ごめん…』

差し出したケーキを口元から離し、自分の口に入れようとすると…その手をリヴァイは優しく止めた。
そしてそのケーキが乗ったフォークを、少女の手ごと引き寄せ…自分の口に入れた。

『えっ?!』
「悪くねぇ。」

リヴァイはフッと笑う。

『リヴァイ…大丈夫?潔癖症なのに、私が食べてたフォークで。』

少女は心配そうに、リヴァイを見つめる。

「お前はいい。」
『そう?じゃあ…もう少し食べる?』
「あぁ…食わせろ。」

ジッと見つめ小さく口を開けるリヴァイに、少女はふふっと笑う。

暫く2人は、穏やかな時間を堪能したのだった。






「まったく…2人で何処に消えたと思ったら、こんな所でイチャイチャと…羨ましい!!」

「ハンジ…何をしている?」

「あっ、エルヴィン!見てよ〜アレ。ほら〜リヴァイ、リンに【あ〜ん】されてる!私だってまだ、された事ないのに!」

「確かに…羨ましいな。」

「だよね!ん〜」
(間に入ったら、やっぱり怒られるよなぁ…)

「ハンジ、悪いがリヴァイを呼んで来てくれ。お前とリヴァイに、紹介したい人がいる。」

「はぁ?!私にアレの邪魔をしろと?」

「元々、邪魔するつもりだったんだろう?頼んだぞ、ハンジ。」


(殺られるかもしれない…)

エルヴィンの後ろ姿を見つめ、うな垂れたハンジだった。

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