鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第22章 :11章 番外編 夜会❷〜貴方とワルツを〜
『疲れた〜!!』
リヴァイとダンスを2回踊った後…ハンジ・エルヴィン・ピクシスとも踊り、踊り疲れたリンはテラスの椅子に崩れるように座った。
リヴァイもその横に座り、深く息を吐く。
リヴァイはリンと踊った後…貴婦人達にダンスを誘われ、嫌々ながらも3人と踊った。
しかしリンがピクシスと踊り終わった後、見知らぬ男にダンスを誘われていたのを見て…慌てて止めに入りテラスへ誘ったのだ。
『沢山踊ったら、めちゃくちゃお腹空いた!今度こそ、食べるからね〜!』
リンは拳を握りしめ、決意を固める。
「もう少しここで休んでろ。飲み物と食い物、持って来てやる。」
『いいの?』
「あぁ。ただし…知らない男から話しかけられても、無視しろよ!」
『無視は…難しいよ。ちゃんと断るから…ね!』
「…必ず断れよ?」
リヴァイはチッと舌打ちすると、テーブルに食事と飲み物を取りに行った。
「可愛らしい姿ね。とても似合っているわ!」
立ち上がり伸びをしていると…1人の貴婦人が少女に近付き、話しかけた。
『レイラ!?どうして此処に?』
「サロンで貴女が、夜会に参加してると聞いて…どうしてもドレス姿を見たくて来たの。」
『クレイも一緒?』
「いいえ。一緒に居る所を見られては、困るでしょ?」
『うん…』
「でも彼も貴女のドレス姿を、とても見たがっていたから…帰りにサロンへ寄ってね。迎えの馬車を手配するから。」
『うん、分かった。元々サロンで着替えてから帰るつもりだったから、馬車の手配は助かるよ〜ありがとう!』
少女は顔見知りの夫人に笑顔で返す。
「そういえば…貴女のパートナーは、リヴァイ兵士長なのね。」
『…リヴァイって、そんなに有名人?』
「えぇ、とても強いと聞いているわ。初めて実物を見たのだけれど、端正な顔立ちでとても…強い瞳の素敵な男性ね。」
『うん、カッコイイよね!ダンスも上手くて、ビックリしちゃった。』
「いつかきちんと、ご挨拶が出来れば良いのだけれど…」
『ん〜難しいだろうね。』
少女は切なそうに笑い、目を伏せる。
[マスター、リヴァイが戻って来る]
『レイラ、リヴァイ戻って来るみたい!』
「そう…分かったわ。では帰りに必ず、サロンへ寄ってね。」
夫人はそう言い、テラスから静かに去った。