鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第22章 :11章 番外編 夜会❷〜貴方とワルツを〜
『わぁ〜美味しそうなものが、いっぱい!何から食べようかなぁ。』
リヴァイの腕から手を離し、キラキラと目を輝かせ辺りを見回すリン。
そのリンを慌てて止めるハンジ。
「ちょっと待って!食べる前に、まずは挨拶挨拶!エルヴィン達も待ってるし、ピクシス司令も。」
『そうだった〜忘れるところだったよ。』
リンはヘラっと笑うと会場を見回す。
するとある1点に目が止まった。
『あっ、エルヴィンとアメリア!』
もう一度リヴァイの腕に手を回すと、3人はその方向へ向かった。
『エルヴィン,アメリア、お待たせ!』
「あっ、リン…凄く可愛いね!似合ってるよ。」
アメリアは少女を上から下まで見つめ、微笑む。
『ありがとう!アメリアもその水色のドレス、似合ってるね。』
「そう?ありがとう。」
『エルヴィン、私どう?』
エルヴィンの前に立ちクルッと1回転すると、両裾を横から掴みはにかむ少女。
「凄く…可愛らしいよ!透明な箱に閉じ込めて、毎日愛でたいくらいだ。」
『箱?』
「あ"?」
エルヴィンの問題発言に、リヴァイは眉間に皺を寄せ睨む。
「冗談だから睨むな、リヴァイ。…でも本当に可愛らしいよ。攫われないようにしないとな。」
『大丈夫よ、リヴァイがいるから。』
「そうだな。」
(こんなに可愛ければ、目も離せないだろう。)
エルヴィンはフッと笑うと、リヴァイを横目でチラリと見る。
リヴァイは腕を組み、微笑を浮かべていた。
『アメリア、ピク爺見なかった?』
「司令はあちらにいらっしゃったよ。お酒を嗜む前に、挨拶は済ませた方がいいね。案内しよう!」
『うん!』
アメリアの後にリン、そしてリヴァイとエルヴィン,ハンジも続く。
『ピク爺!』
リンがピクシスを呼びかけると、嬉しそうに少女の側に寄った。
「リン…可愛らしいのう、そのドレスも似合っとる。流石ルーサの娘…あと2年もすれば、とびきりの美女になるだろうな。」
ピクシスは髭を触りながら笑う。
『お母さんに似てる?』
「あぁ、そっくりじゃ。」
『そっかぁ』
少女は満面の笑みを浮かべた。
『他の人に挨拶…する?』
「いや、必要ない。あとはワシと、ダンスを踊ってくれれば良い。」
『いいよ〜じゃあ行こう!』