鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第2章 :守護獣と心の傷
「知らなかったとはいえ、無神経な事言ったよね…私。」
ハンジがボソリと呟くと、レイが残された7人に語りかけた。
〔悪かったわね。あの子はまだ無知な子供だけれど、東洋人の暗い歴史だけは知ってる。誰より東洋人の未来を憂いてる子よ。契約は主も幾つかリスクを背負うのに…あの子は一切の躊躇なく、一族を守る為後継を選んだ。私達が出来るのは生命を守り、怪我をしたら回復して戦う力を与えるだけ。心は…守れない。それが出来るのは、あなた達人間だけなの。どうか…あの子の心を守ってあげて。〕
そう言って優しい目でハンジ達を見回し、小さな炎と共に消えた。
「心か…。彼女があまりにも明るく無邪気だったから、気付けなかったね。きっと今まで沢山、東洋人であるが為に辛い目に遭ったんだろうね。そして仲間を守る為、力を手に入れた。あの小さな身体で…仲間の未来を背負っていたんだ。」
ナナバは切なげに目を伏せた。
「オイ、戻るぞ!」
いつのまにかリヴァイは馬に跨り、まだ呆然としている者達を見おろす。
「フッ、そうだな。彼女をあのまま、1人にしておくわけにはいかない。戻ろう!」
エルヴィンもリヴァイに続き、馬に跨る。
「うん…リンに謝らなきゃ!」
ハンジが馬に跨り呟くと、リヴァイが振り返る。
「クソメガネ、謝るのはもうやめろ!あいつはまた嫌な事を思い出し傷付く。…まぁ菓子でも与えれば、いつものように戻るんじゃねぇか?」
「フフ…うん、そうだね!よ〜し!お菓子用意してリンのスープ、食べに行かなくっちゃ!」
ハンジは馬を急発進させリヴァイを追い越す。
それに6人も続いた。
既に太陽は真上まで来ていた…
2章 fln.