鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第20章 4章 番外編 悲しみと幸せの誕生日
「ほら、好きな所食え。」
リヴァイがケーキを見上げる少女の頭を、ポンと優しく撫でる。
『うん!えっとね〜1番上食べたい!』
少女の言葉にエルヴィンとミケが動く。
「私が抱き上げよう!」
エルヴィンは笑顔で両手を広げ、ミケはその横で無表情に手を広げる。
「おいてめぇら、ちょっと…」
『ミケがいい!』
「チッ!」
リヴァイの言葉と舌打ちをスルーし、少女はミケの元に走り腕に飛びついた。
それと同時にミケは少女を抱き上げ、片腕に乗せる。
ふとハンジがエルヴィンを見ると…とても悔しそうに羨ましそうに、ミケを見ている。
『わ〜!ミケの目線って、こんな感じなんだね!』
少女はミケの腕ではしゃぎ、皿を受け取るとケーキの1番上にフォークを刺した。
そして丁度1ホール分を皿に乗せ、ミケの腕からスルスルと降りた。
そこに渋い顔をしたリヴァイが、ケーキの中央辺りに刺してあるメッセージ入りのチョコを取り…少女の皿のケーキ上に乗せる。
「これはお前のだろ?」
【リン、16歳の誕生日おめでとう!幸せに…】
『うん…』
少女は切なげに笑い…プレートのメッセージを見ながら、フォークで掬ったケーキを口に含んだのだった。