鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第18章 :全ての始まり〜また会う日まで〜
最後にリヴァイの前に立ち、少し目線を上げて見つめる。
『リヴァイ貴方は…最初見た時本当に顔が怖くて、極度な潔癖症・口調や粗暴な態度で私…絶対嫌われてるんだと思ってた。だから自分から関わらないようにしてたし、名前も絶対呼ばないって思ってた。』
「俺は出会った頃からお前を、嫌いだと思った事はない。」
リヴァイはムスッと答える。
『そっかぁ、ありがとう!』
リンは嬉しそうに、ふふと笑う。
『本当のリヴァイは…強くて頼り甲斐があって仲間思いで、不器用だけどすごく優しい人だった。』
「以前も言った筈だが…俺を優しいと言う奴は、お前くらいしかいない。」
『そんな事ない。リヴァイが知らないだけで、思ってる人結構いるよ。』
リヴァイは【信じられない】というように、溜息を吐き眉間に皺を寄せる。
それを見て少女はまた、優しく笑う。
『リヴァイ…いつも側にいてくれて、ありがとう!私に唯一の泣ける場所をくれて、ありがとう!あの日…あの変わり果てた郷にもし1人で立っていたら、こんな風に笑えなかった。…貴方に会えて良かった!』
満面の笑みを浮かべ、リヴァイを見つめた。
風が…白いワンピースの裾を攫ってふわりと舞い、少女の髪も優しく揺らす。
同時にこの場にいる東洋人の少女2人+守護獣、そして1人の男にしか聞こえない鈴が…チリリリンと鳴り響く。
その情景が、あまりに眩しくて綺麗で…目が離せなくなった。
「リン…俺はお前に言う事がある。」
リヴァイはゆっくり少女に近付き、頭に優しく手を置いた。
『待って!まだ私の話は終わってない。』
少女は咄嗟に背伸びして、リヴァイの口元に1本指を立てた。
リヴァイは小さく舌打ちし、少女をまた見つめる。
『貴方は人類最強で、誰よりも強いかもしれない。でも私から見れば、貴方はやっぱり"普通の人間"だから…もっと自分自身も大切にして。リヴァイの為にブレンドした、私の特製茶葉送るから…心もちゃんと休めて欲しい。貴方の身に起こりえる危険は、私とファーランが守るから!』
昨夜少女から渡された、ペンダントの石がキラリと光る。