鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第2章 :守護獣と心の傷
『ちなみにこの2体は現時点でお母さんが契約していて、私もまだ後継はしてないの。契約は16才からで、私はまだ15才だから。後継前に守護獣の力を把握する為、修行して来い!ってお母さんに郷から追い出されて…今に至る。』
「なるほどね〜。あっそういえば…もう1体いるって、言ってなかった?」
『うん、もう1体は【風の狼:フェイ】っていうの。フェイはお父さんが契約してる守護獣で、まだお父さんと契約中。主に回復と防御メインで、攻撃も最強クラス。』
暫く無言を貫いていたエルヴィンが、ライキとレイを見つめ姿勢を正し話しかける。
「ライキ殿,レイ殿、あなた方は何百年も生きていると仰っていたが…この世界の真相を知っていますか?」
〔勿論知っているわ!でもあなた達に語る事は出来ない。私達は本来、人の世に干渉しない事にしているの。主の意思に従い守り助け、この先も共に生きて行くだけ。〕
「そうですか…」
エルヴィンは落胆する。
〔ただ…東洋人の隠し郷が所有する文献があれば、何か分かるかもね!〕
「文献?!そんな物があるの、リン?」
『あ〜郷にあったかも…私は読んだ事ないけど。』
「リン、それを見せて貰う事は出来る?」
ハンジはキラキラした目でリンの手を握り、エルヴィンも期待の眼差しを向ける。
『ん〜どうだろう?郷に帰ってお母さんに聞いてみないと、分からないかなぁ。』
エルヴィン達が、文献を見せて貰う相談を続けていた頃…ライキとレイは、人間に聞こえないよう会話をしていた。
[レイ!貴様…どういうつもりで、あの子を郷に戻るよう誘導した?あそこはもう…]
[私だってあの子を悲しませたいわけじゃないわ。けれどあれは既に起きた真実。あの子には知る権利がある。人は…悲しみにより、強くなるものよ。あの子はもっと、強くならなければならない。一族の命運はあの子にかかってるのだから。それを見守るのが、私達の役目よ。]
[………]
ライキはリンを見つめ、静かに目を伏せた。