鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第2章 :守護獣と心の傷
『ライキ、おすわり!!』
リンがライキに向かって手を翳すと、ライキはビクッと震えその場に伏せた。
(犬だ…)
(犬だな…)
(猫と言うより犬…)
全員が心の中で納得した。
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「申し訳ありませんでした…」
モブリットは自分の不用意な言葉で、ライキを怒らせてしまった事を反省し頭を下げる。
『大丈夫!私こそ言うの忘れててごめん。守護獣は何百年も生きてる、高貴で気位が高い動物で…侮辱されるの嫌いみたい。特にライキは猫に敏感!』
「早く言ってよね〜リン!私ビビって、漏らすかと思ったよ!」
「汚ねぇな…」
「そう言うリヴァイとエルヴィンは、怖くなかったの?」
ジト目で2人を見るが…2人はまるで何もなかったように、平然と答える。
「別に。」
「あぁ…少しビックリしたが、大丈夫だ。」
「流石だね〜!じゃあ次は…もう1体の鳥も見せてくれる?」
『分かった。彼女は普段、武器形態にしてないの。レイ!』
リンが右手を空に翳し名前を呼ぶと、大きな焔の鳥が現れる。
『これが焔の鳥レイ。主な担当として…ライキは雷攻撃と防御、レイは防御と移動ってとこかな。初めて会った時、私が壁外を移動した術はレイの力。』
「あ〜君が消える前に出現した炎は、この鳥のものだったんだね!」
〔そうよ。…はじめまして!私は焔の鳥レイ。大事な娘に何かしたら、三体の守護獣が黙っていないわ!…アラアラ、おチビちゃん?そんな怖い目で睨んでも、私は殺せないわよ?〕
「"あぁ?てめぇ…今チビって言ったか?」
リヴァイは守護獣を前に、臆する事なく睨みつける。
(リヴァ〜イ!止めてくれ!!)
〔フフフ…短気なのね。私は別に、背の事を言ったのではないわ。何百年も生きた私達にとって、あなた達は全ておチビちゃんなの。〕
怒る事もなく…大きな翼を広げ、レイは笑いながら答える。
「チッ…」
リヴァイは舌打ちすると、視線を逸らした。