鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第17章 :守れない約束〜終わりの始まり編 終章〜
『どうして…マナを巻き込んだの?』
少女の身体が怒りで震える。
「彼女も関係者だから。」
『…えっ?』
(まさか…知ってるの?マナが【何者】か。そんな訳ない!あれは郷の中でも一握りの…)
「俺は…俺の理解者と生きて行きたい。ずっと3人一緒だっただろ?これからも3人で一緒に居たいんだ。」
『この場に連れて来る、意味が分からない!』
「彼女がこちら側に居れば、君と戦わずに済むと思ったんだ。だってリンは、マナを傷付ける事なんて出来ないだろ?」
『ッ!』
リンはカナメの横にいる、マナを見つめた。
マナは焦点の合わない虚ろな目で、こちらを見ている。
(マナの正気を戻さなければ、取り戻せない。やっぱり…呪具を壊すしか方法はない!)
リンは右手の刀をバトン形態に変え、戦闘態勢を解いた。
『ライキ…マナに一切、傷を負わせないで!』
[マスター…しかし!!]
『命令よ!』
[…了解した]
【 全員、傷付けるな! 】
〔ッ?!やっぱり…そうなるわよね〕
レイは深いため息を吐いた。
「なんだ?何が起きてる?」
結界の中の状況が全く分からないリヴァイは、苛々しながらレイを睨む。
〔マスターから命令が降った。マナを一切傷付けるなと。戦闘態勢も解いてるし…もう1つの方法に切り替えるようね〕
「術者を一切傷付けず、自分の身を守りながら呪具を壊す事など出来るのか?」
〔出来ないわね。攻撃を避けながら、呪具を探し壊すしかない〕
「リン…」
リヴァイは何も出来ないもどかしさで、拳を強く握った。
風の刃がいくつか、リンに向かって飛んで来る。
それを交しながら、マナの手首や首元を見つめるが…集中出来ず、呪具を感じる事が出来ない。
「ッ!!」
避けた刃がリンの後ろから回転し、何故かブーメランのように戻ってマナの頰や腕を掠めた。
頰から一筋の血が垂れる。
『えっ、何で?まさか…。ッ…避けたり弾いちゃダメ!マナが傷つく…』
[しかし!]
『命令!』
[ッ!了解…した]
「何やってるリン、避けろ!…何であいつ、攻撃を避けねぇ?」
〔避ければその攻撃が全て、マナに返って来る〕
「あの野郎!!」
リヴァイは苛立ちで強く結界を殴るが、ビクともしない。