鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第16章 :帰る場所〜終わりの始まり編❸〜
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「うるせぇ…構うな。」
そう一言呟き、エルヴィンと話す少女に近付く。
「そろそろ行くぞ、リン!」
『うん。ハンジ、エルヴィン…行って来ます!』
「「行ってらっしゃい!」」
ハンジとエルヴィンに手を振り、2人はその場から消えた。
そして一瞬の内に、街の屋根に降り立つ。
「リン、今朝話した事を覚えてるな?」
『分かってる。【相手が戦闘態勢に入る前に仕掛ける】だよね?』
「そうだ!殺せなくてもいい。術者に痛みを与え、結界を壊せ!その瞬間、俺も加勢する。安心しろ…俺がいる。お前は1人じゃねぇ!」
『うん。ありがとう、リヴァイ!』
少女は満面の笑みを浮かべた。
強い風が吹き…青年と術者に囚われた風の狼:フェイが姿を現わす。
少女の髪の毛がふわりと舞い、同時に右手に雷刀を出現させる。
リヴァイは家屋に身を潜め、その様子見守っていた。
「リン、お待たせ!今日は君が会いたがっていた人を、一緒に連れて来たよ。」
青年:カナメはニッコリ笑った。
『私の…会いたい人?』
カナメは静かに術者に近付き、その耳元で何かを囁く。
すると術者は深々と被っていたフードを外し、その顔がハッキリと見えた。
『………えっ?!』
リンは驚きで目を見開く。
「感動の再会だね!」
〔あの男…やられたわ!呪具のせいで、気配が全く読めなかった。ワタシ達の失態…〕
リヴァイの側で待機していた焔の鳥:レイが、悔しげに呟く。
〔リヴァイ…残念ながらマスターは貴方達との約束、守れないわ〕
「あ"?どういう事だ?」
〔何故ならあの術者は…〕
『…どうして此処に?…マナ!!』
〔マスターの…家族の次に大事な存在、幼馴染で親友の【マナ・クラウディス】だからよ〕