鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第16章 :帰る場所〜終わりの始まり編❸〜
「どうした?まだ何か言いたい事でも…『ごめんなさい!』」
言葉を遮り、リンはリヴァイに深々と頭を下げた。
「あ?何がだ?」
『酷い事言った…』
「別にいいと言っただろ?事実だ、気にしてねぇ。」
『それでも…謝りたかった、謝るべきだと思った。だから…嫌な事言って、ごめんなさい。』
「…分かった。気にしてねぇから、お前も気にするな。」
優しく少女の髪を撫でる。
『…うん。それと…さっきの事なんだけど…私、決めたから。術者を……殺…すって。』
少女の身体が小刻みに震える。
『まだ怖いけど…頑張る…から…だからお願い…側にいて。一緒に背負って欲し…』
言葉を言い終わらぬ内に、リヴァイは咄嗟に震える少女の腕を引き寄せ…小さな身体を自身の胸に抱き込んだ。
「安心しろ、最初からそのつもりだ。側にいる。お前は1人じゃねぇ!」
『うん…ありがとう!』
リンもリヴァイの腰に腕を回し、ギュッと抱き着いた。
「…さっきは悪かったな、泣かせて。」
『えっ?』
暫くすると頭上でボソリと呟く声が聞こえ、リンはリヴァイを見上げた。
視線は合わず…ソッポを向いている。
その姿を見て、リンはふふふと笑った。
『リヴァイは優しいね!』
「俺を優しいと言う奴は、お前くらいしかいねぇ。」
『そっか〜じゃあこんなに優しいリヴァイは、私だけの特別だね!』
「チッ、笑うんじゃねぇよ。」
リヴァイは舌打ちし、優しく少女の頭を小突く。
リンはまた笑い…もう一度リヴァイの胸に、抱き着いたのだった。