鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第16章 :帰る場所〜終わりの始まり編❸〜
コンコン
扉をノックすると返事が聞こえ、開けると少女がベッドの上に座っていた。
『戻っちゃった!やっぱり自室が落ち着くんだよね〜。』
「動いて大丈夫か?」
『ハンジの薬のおかげだね!お風呂も1人で入れたし…これならまだ、戦える!』
「………。」
リヴァイは無言で椅子を動かし、少女の正面に座る。
そしてゆっくりと口を開いた。
「もう一度行くんだな?」
『うん!止めても無駄。私は何が何でも、2人を取り戻す!』
「別に止める気はねぇ。だが何か対策はあるのか?」
『対策…』
「確実に取り戻す方法だ。」
『それは…まだだけど…』
「だったら俺が教えてやる!」
『方法があるの?』
「あぁ、2つな。お前はその2つから選べばいい。」
『2つ…』
「1つは術者の持つ呪具を壊す。だがこれは、かなりのリスクを伴う。どこに呪具が付いているか探る必要があり、その間お前が怪我を負う可能性が高いからだ。今の状態で更に傷を負えば、死ぬ確率が上がる。」
『…2つ目は?』
「1番確実で、すぐ終わる。…術者を殺す事だ!」
リンは目を見開く。
『何を…言っているの?』
「術者を殺せばお前は怪我も負わず、大事なものを取り戻す事が出来る。1番確実で、簡単な方法だ。」
『簡単?人を殺す事が?』
少女の身体が、カタカタと震える。
リヴァイはその姿を冷静に見つめ、更に淡々と続ける。
「首の後ろにある"頚椎(けいつい)"を切れば、即死する。雷獣の刀なら簡単だろ?」
『簡単…なんて…言わないで。そんな…事…出来…ない!人を…殺すなんて…』
震える身体を抱きしめ、リヴァイから視線を逸らす。
「ならお前が死ぬだけだ。」
リヴァイは容赦なく、冷たく言い放つ。