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鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】

第16章 :帰る場所〜終わりの始まり編❸〜



「リン…メシ食い終わったら、話がある。」

『話?何?』

「真面目な話だ。食い終わってからでいい。」

『そう?分かった〜。』

返事をしつつ菓子を口に入れる。

まだ終わらないと悟ったリヴァイは小さくため息を吐くと、トレイを持ち立ち上がる。

「リヴァイ兵長、そちらは私達が片付けます。」

「そうか…頼む。」

ニファはリヴァイからトレイを受け取りリンに挨拶をすると、先に部屋を出て行った。


「あっ兵長!エルドさんが訓練メニューで、何か相談があるそうです。」

「そうか、分かった。リン、食い終わったら呼べ!俺は一旦執務室に戻る。」

『は〜い!』

「リンさん、私も戻ります。ポットは片付けますが、カップは置いて行きます。他に何か必要な物があれば、言って下さいね!」

『ありがとう、ペトラ。』

リンはニッコリ笑った。

そして2人は静かに部屋を出た。



「ペトラ…色々助かった、礼を言う。悪いがエルドを俺の執務室へ寄こしてくれ。」

「…リンさん、目覚めて良かったですね。かしこまりました!すぐ伝えます。」

ペトラはポットを持ったまま頭を下げると、早足で班員がいるだろう場所に向かった。

リヴァイはその背中を見送り、執務室に戻って行った。


--------------


「ではこの訓練メニューで進めます。」

「あぁ、あとは任せる。」

リヴァイは書類にサラサラとサインをし、エルドに手渡す。

「リンさん…目覚めて、良かったですね。」

「あぁ。」

「リンさんが此処に来てから…兵舎内の雰囲気も明るくなったし、何より毎日の飯が楽しみになりました!彼女は色々謎が多い人ですが、俺はずっと此処に居て欲しいです。」

「…そうか。」

「だから…無事に帰って来て下さい、2人で。」

「あぁ、分かってる。」
(二度と怪我はさせねぇ!)


エルドが執務室を出たと同時に、白い獣が姿を現わす。

〔マスターは自室に戻っている〕

「今行く。」

そう一言告げると、白い獣は消えた。



(嫌われても構わねぇ。全てを背負う覚悟は出来ている。)

リヴァイは立ち上がり手早く私服に着替えると、少女の待つ自室に向かったのだった。


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