鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第2章 :守護獣と心の傷
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ウォール・ローゼ森の中という立地にある旧調査兵団本部に、エルヴィン,リヴァイ,ハンジ,モブリット,リン、他にミケ,ナナバ,ゲルガーもいた。
あの後ハンジはエルヴィンの部屋へ突撃し、その部屋の中にいたミケ,ナナバ,ゲルガーにも話をした。
今後関わる可能性がある者は、見せて貰った方がいいのでは?という事で、3人もついていく事になったのだ。
モブリットは記録係として呼ばれていた。
「ミケ,ゲルガー,モブリットは全く初めて見るから、まずは刀を見せて貰ってもいい?」
ハンジがそう言うと、リンは頷く。
『分かった。…ライキ!』
手を前に伸ばし呼ぶと、手の中に長刀が出現する。
「くぅ〜やっぱり何度見てもカッコイイね〜!」
「あぁ確かに、不思議な光景だな。」
ハンジとエルヴィンは二度目だったが、またしても感嘆の声を上げる。
「なっ何?!刀が突然現れたぞ?…俺たちのブレードより長くて、見た事ない形状の刀だな。」
「フッ…面白い。」
「身体の中から刀が現れるなんて…分隊長から聞いてはいたが、実際に見ると迫力が違うな。」
ゲルガー,ミケ,モブリットは長刀をまじまじと眺め、それぞれ感想を述べる。
「じゃあリン、次は本来の姿を見せて貰っていい?」
『了解。…雷獣ライキ、我が命に従い真の姿を現せ!』
リンが刀を地面に刺し唱えると刀は消え、大きな白い獣が姿を現わす。
銀色に輝く艶やかな毛並み・鋭い牙と爪、長い2本の尻尾は優雅に揺れている。
「綺麗…なんて優美な姿。」
ナナバが静かに呟く。
「大きな…猫のような感じですかね?」
スケッチしていたモブリットが呟くと、殺気と共に低く地鳴りのような唸り声が響き渡り…辺りに無数の電撃が走る。
〔猫だと…あのような下等動物と一緒にするな!〕
リン,リヴァイ,エルヴィン以外全ての者達は、ライキの唸り声と殺気で背筋が凍りつき数歩後退する。
側にいたリヴァイ,エルヴィンも目を見開き、ビリビリとした殺気と電撃にブルリと身体を震わせたが…何とかその場に留まりライキを見つめた。