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鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】

第16章 :帰る場所〜終わりの始まり編❸〜



『リヴァイ…』

「どうした?」

リンは頭を撫でるリヴァイの手を目元にずらし、ギュッと握る。

『お父さん殺したの…カナメだった…。』

目の上に乗せたリヴァイの手が、涙で湿ってくる。

「あぁ、聞いてる。」

そしてついに頰から、一粒の雫が滑り落ちる。

『私が無知で、みんなに守られて生きてた事も知らないで…大切な人を沢山失った。私のせいで…』

「お前のせいじゃねぇ。悪いのはあの男だろうが!」
(中々目覚めなかったのは、自分を責めてか…)

『…うん。私…夢の中でファーランと、お父さんに会ったの。』

ファーランの名を聞き、リヴァイはリンを凝視する。
リンも目元の手を外し、その手を握ったままリヴァイを見つめる。


『生きろって言われた。生きなきゃダメだって思った。大切な人達の想いと願いを、私が全て引き継いだから。』

(同じだ…)


『リヴァイ、私ね…好き。』
「ッ?!」
『調査兵団が好きなの。ここで出会った、みんなが好き!リヴァイと、みんなの呼ぶ声が聞こえたから…戻って来れた。ここが…(あなたの側が)私の帰る場所だから。』

(クソ…みんなかよ。)

"好き"の言葉に一瞬目を見張り、喜びそうになったリヴァイだったが…その後に続いた言葉に落胆する。
だがここが【帰る場所】だと言われ、嬉しさで自然と目元は緩む。

「そうか…」

リヴァイのその言葉と表情に、手を握り合ったまま少女は微笑んだ。


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