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鈴の音が届く距離で〜始まりの章〜【進撃の巨人/リヴァイ】

第15章 : ◆◇今世から来世まで〜運命の人〜◆◇



初めてまともに喋った時、お前は『私は絶対死なないから』と言った。

俺は馬鹿なクソガキだと思った。

お前は不死身か何かか?
絶対に死なねぇ奴なんていねぇ!
死にたくねぇと願いながら死ぬ奴は5万といて、その中で生き残った俺たちが今…ここにいる。

ファーランとイザベルもそうだった。
「死ぬわけない」と言って死んだ…

自分の力を信じても、
信頼に足る仲間の選択を信じても…
結果は最後まで誰にも分からない。
だから絶対に死なねぇなんて言葉、俺は信じねぇ!

だが初めて一緒に壁外で戦った時、お前の言っていた事は事実なのかもしれねぇと思い始めた。
こいつは俺たちと違う、特別な力を持っている。
あの力と獣がいれば確かに死なねぇだろうし、巨人殲滅も夢じゃねぇ。
そう期待した…


だがそのリンも今ベッドの上で、血塗れになりながらピクリとも動かない。


〔 あの子は不死身ではない。傷付き血を流し続ければ、死ぬ可能性もある 〕


雷獣の言ってた言葉が、ずっと頭にこびりついている。

どんな人間も血を流し続ければ、出血多量で死ぬ。
『死なない』と言ってたお前がこのまま、本来守護される獣の手によって死ぬのか?
このまま目も覚まさず、力尽きるのか?
そして亡骸も残さず、俺達の前から消え失せるのか?

そんな事は許さねぇ!


「リン…死ぬな。俺はまだ、お前に何も伝えてねぇ!」

リヴァイは未だ血が滲む包帯から覗く、小さな手を優しく握り持ち上げると…その温度を確かめるように甲に口付けを落とす。
しかし甲や指先は冷んやりしていて、まるで死人のようだ。


『私達は【輪廻転生】を信じてる。例え死に別れても、未来でまた会える…そう信じてるから』


「未来だけじゃねぇ…今もこれから先もずっと、俺の側にいろ。リン…俺はお前が好きだ。」

そう言いベッドの縁に座ると…眠る少女の小さな唇に、リヴァイはそっと口付けた。


「目を覚ませ、リン!追いて逝くな。消えるな。俺にはお前が必要だ。リン!!」

頼むから連れて行くな!
ファーラン、イザベル…

リヴァイは死んだ仲間達に祈り続けた…

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